遺伝性網膜疾患の治療薬について
7月の講演会で知りましたが、網膜色素変性症の遺伝子治療薬「ルクスターナ」が2023年6月27日に本邦で認可されていました。
網膜色素変性症は遺伝が関与している病気で、夜盲(くらいところで見えづらい)が徐々に進行して、見えなくなってしまう方もいる病気です。8000人に1人ほどの発症率と言われています。
網膜色素変性症には様々な原因遺伝子があり、全ての患者さんに対する治療法は残念ながらまだありません。網膜色素変性症の患者さんの数パーセントの方の原因遺伝子はRPE 65です。ルクスターナ はこのRPE65が原因の方が治療対象になります。
しかしながら、まだ、検査体制が整備中のようで、ご希望する方全員がすぐに検査を受けられる状態にはないそうです。
検査は保険適応になりますがそれでも、検査代だけで50万円近くかかるそうです。治療代はアメリカでは両眼で1億2000万円だそうです。保険適応になったとはいえ、日本でも高額な治療費用がかかるのは間違いないでしょう。
治療方法は手術で網膜下に薬液を注入します。
視力は改善しないものの、光の感度が100倍にアップして、自覚症状の改善が期待できるようです。
今後も、北海道の講演会や情報交換会に参加して、札幌なら、どこの施設で検査や治療をしているか、情報をアップデートして患者さんに提供できるようにしてゆきます。