近視進行メカニズム

慶應義塾大学医学部眼科学教室 准教授 の 栗原 俊英 先生の、近視進行の分子レベルのメカニズム の講演を聴講してきました。

バイオレット光(紫色の光 360〜400nmの可視光)が近視進行抑制に効くという説があります。屋外レベルの2%以上の紫光によって近視進行抑制がなされるとのことです。

市販されている眼鏡は UVカット機能があり、 UVと一緒に紫光がカットされてしまっているとのことです。だから、子供が、眼鏡をかけるようになると近視が進行が加速するようです(別に軸外収差理論による近視進行の要素もある)。

紫光をだすメガネで40%の眼軸長伸長抑制効果があり、18%だった低濃度アトロピン点眼より効果があるのではないかと思っている、とのことでした。

紫光は近視進行抑制するEGRー1 という遺伝子を活性化することによって近視進行抑制効果を発生するそうです。

当院でも販売しているクロセチンのサプリメント(ロートクリアビジョン )もEGRー1を活性化することにより近視進行抑制効果を発揮するとされています。↓

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2019/1/23/28-50831/

クロセチンの近視進行抑制効果は20%ほどとされています。栗原先生によると、用量依存性にEGRー1活性があがると言っていたので、

「クロセチンのサプリメントには 1日1粒(7.5mg)が目安 と 書いてありますが、2粒飲んでもらった方が、より、近視進行抑制効果はありそうでしょうか?」と質問してみました。用量依存性に活性が上がるのは細胞レベルの話なので、実際の近視進行抑制効果が、量を多く服用することによって増強されるかどうかはわからない、とのことでした。

木村の個人の感想ですが、(動物実験と臨床試験で効果のある最小限の量で容量を設定されているようなので)体格の良い子供達や、大人で近視進行抑制効果を得たいと思う場合は、倍量投与してみると良いかも、と思っています。というのは、あまり近視進行抑制効果をクロセチンのみで実感できたことがないからです(緑内障点眼のように毎日きちっと治療の日記をつけてくれて、切らさないように通院してくれれば私の間隔でもわかるような抑制効果が得られるかもしれませんが)。

あと、私、初めて知りましたが、ブナゾシン(商品名デタントール)という、昔から使われている緑内障点眼が、動物実験では近視進行抑制効果があったとのことです(脈絡膜を厚くするから)↓

https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20231115591009/

栗原先生の次男さんもオルソケラトロジーを行っているとこのとでした。