早期緑内障診断について
「早期緑内障診断を極める」という講演を拝聴しました。
検査の機械、OCTの進歩で視野欠損が生じる前段階の緑内障が、早く診断できるようになってきています。
過剰診断も見逃しもいけないのですが、検査画像は正常眼データベースを基準に異常を指摘します。ですので、機械が示した異常が、病変であることも、単なる個人差であることもあり、見極めが非常に難しい例もあります。特徴的なサインに注目して、今後も適正な診断と治療強度の決定につなげてゆきたいと思います。
血流評価をすることで緑内障の進行評価が最近の機種ではできるそうです。大きな買い物なので、なかなか頻繁に買い替えることはできない機械です。しっかりと良い機械を見定めて今後の更新してゆきたいと思います。現在、当院のOCTはRS3000という機種で、緑内障についても、割と多くの眼科医の評判が良いものです。長く使うことができていて、12年前、無理して買いましたが良い買い物をしたと思っています。
視野検査は集中力と時間がかかりますし、上手くできるときも、できない時もあるので、客観的に検査器械で進行評価が判断できるようになって来ると良いかと思います(すでに少しずつ進歩していますが、残念ながら、視野検査をしなくても緑内障の進行状況が簡単にわかる、というところまでにはなっていません)。
視野検査の ゴールデンスタンダードは シータスタンダード とのことで、当院でも主に使用している検査モードです。片眼あたり7分くらいかかります。ご高齢で長時間の検査に耐えられない場合などは 短時間モード(精度は落ちます)で行うことも稀にあります。
緑内障点眼を開始すべきなのか、様子見するだけで良いのか、正しく判断し、治療するなら点眼か、レーザーを併用するか、患者さんとともにベストの治療を話し合い、決めてゆきたいと思います。