あらためて、めぐすりのさしかた。など
緑内障関連のウェブセミナーを見ました。
やはり、めぐすりを上手にさすことは、ふるくて新しい永遠のテーマです。
実は、患者様は、医療者側が思った以上に、上手く、めぐすりを目に入れることができていないという事実を再度認識しないといけません。
スワンのHPに 動画集 というのを作っておりまして、有用な動画をおいています。
木村が点眼している様子を自撮りして、いつも患者さんに説明している内容をテキストで書いてあります。
一番効果があると思うのは、患者さんに実際に点眼する様子を見せてもらって、改善点を一緒に考えてゆくことかと思います。
ゴルフとか野球とか器械体操とか整形外科の手術後のリハビリとかでも、スマホなどで動画を誰かにとってもらって、フォームをチェックしてゆくのが上達のコツだと思います。目薬のさしかたも同様です。
スマホが使えないかたは誰か身近な人に点眼している様子を見てもらうと良いでしょう。
偉そうなこと言っていますが、私、自身の点眼動画を久々、見直してみて、自分でイメージしていたところ(赤目と黒目の間)よりも少し黒目よりに点眼しているように気づきました。そして2mmほど、いつもより下側に点眼するように意識してみました。すると、いい感じに角膜より下の部分に点眼が入って、いい感触でした。自分でうまく点眼できていると思っている人でも、意外ときちんと点眼できていないと講演で聞きました。
めぐすりを目に入れようとするあまり、角膜に接触して、角膜に点眼瓶の先端の形状にスポット的な傷ができているケースも特に高齢者のドライアイの患者さんによくみられます。
眼球にもまつ毛にも触れずに目薬をすることは、実は結構、難しいことです。
緑内障の目薬を初めて処方する患者さんには、その回か次回再来される時に対面で職員から点眼指導をしてもらうようにしています。
本当は、緑内障点眼以外の目薬を処方する方以外でも、目薬をする方全員(来院患者さんのほぼ全てに相当するでしょう)に一度は説明したいところです。現実的には、人的資源や時間的制約をクリアするために「めぐすりのさしかた動画みておいてね」と説明を効率化しています。
厳密にしっかり、点眼して欲しいの緑内障の目薬です。目薬のさしかたも大事ですが「目薬することを忘れない、だいたいいつも同じくらいの時刻に点眼する」ということは誰にとっても難しいことですし、100%できる人は誰もいません。ですので、最近は緑内障患者さんに、緑内障レーザー治療SLTを積極的に提案するようにしています。緑内障の目薬よりも副作用が少ないからです。緑内障レーザー治療 SLT は、8割の患者さんに効果があり、毎日しなければいけない目薬治療と違って概ね2年ほどの治療効果の持続が期待できます。ただし、緑内障の目薬1種類分ほどのマイルドな眼圧下降効果なので、緑内障点眼と併用するのを基本としています。
一緒にがんばりましょう!